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ゴム通 > たのしく学ぶゴム素材「天然ゴム」

ゴム素材って種類が豊富です。この特集では、数あるゴムの中から天然ゴム(NR)をピックアップ。「ゴム博士」と、素材についてはビギナーの「輪ゴムちゃん」の二人の会話から楽しく学べます。
やさしいゴム、 「アメゴム」
ゴム博士、哺乳瓶に使われているゴムって、よく見る黒いゴムとは全然違う。やさしさを感じますね。これなんのゴムですか?

ふむ、いい感性だ。その素材は、アメゴムじゃよ。アメゴムは天然ゴム(NR)の一つで、必要最小限の配合で加硫した、比較的“素に近い”ゴムじゃ。(※シリコーンゴムなどで作られているものもあります。)
かつては赤ちゃんの哺乳瓶以外にも医療用のチューブとして広く使われてきたんじゃ。この独特の弾力と肌に馴染むような柔らかさは、複雑な化学工場でも完全には再現できない「自然からの贈り物」なんじゃよ。
かつては赤ちゃんの哺乳瓶以外にも医療用のチューブとして広く使われてきたんじゃ。この独特の弾力と肌に馴染むような柔らかさは、複雑な化学工場でも完全には再現できない「自然からの贈り物」なんじゃよ。
【深掘り】ラテックスから「黒いゴム」ができるまで
これ、どうやって作られるんですか? 木から採れた「ラテックス」を固めたら、すぐに「アメゴム」になるんですか?
いい質問だ。図式化すると、こんなプロセスを辿るぞ。
【ゴムの進化プロセス】
- ラテックス
(ゴムの木の樹液:さらさらの白い液体)

- 生ゴム
(凝固させて乾燥させたもの:まだベタつきがある状態) - 加硫(かりゅう)
(硫黄を混ぜて加熱し、ゴム分子間に網目状の架橋を作る。これで「弾力」が生まれる) - アメゴム
(最小限の添加剤で仕上げた、天然に近い姿) - 黒い天然ゴム
(アメゴムよりも、強度や耐久性を高めるために「カーボンブラック」や老化防止剤をしっかり配合した姿)

なるほど! 最初は白い液体で、加硫して弾力が出て、さらに「補強材」を入れると、よく見る黒いゴムになるんですね。
現場の悩み:天然ゴム独特の「臭い」の正体
ただ、天然ゴムって独特な「臭い」がありますよね。
それは天然由来ゆえの宿命じゃな。あの臭いは、ラテックスに含まれる「タンパク質や脂質」が加工時の熱や酸化で変質・反応して発生するものじゃ。
いわば「生き物の証」なんだが、密閉された部屋では嫌がられることもある。
いわば「生き物の証」なんだが、密閉された部屋では嫌がられることもある。
何か対策はありますか?
風通しの良い場所に数日置いて「臭いを抜く」方法がよく行われるのう。
臭いに敏感な環境や用途であれば、無臭に近いシリコーンゴムや合成ゴムへの切り替えを検討するのも設計者の優しさじゃ。
臭いに敏感な環境や用途であれば、無臭に近いシリコーンゴムや合成ゴムへの切り替えを検討するのも設計者の優しさじゃ。
【保存版】天然ゴム板(黒)の一般的物性
⚠️ 工業用ゴム板のスペックについて 以下は、「工業用天然ゴム板」の一般的なスペックです。グレードやメーカーによっても性能が異なりますので、必ず各製品の仕様をご確認ください。
| 特性項目 | 評価 | 解説・備考 |
|---|---|---|
| 引張強度 | ◎ | 並級で5〜10MPa、上級で10〜20MPa程度が目安。 グレードによって強さが大きく異なる。 |
| 反発弾性 | ◎ | 非常によく弾む。カーボン配合でも天然ゴム特有の弾性は健在で、防振材に適する。 |
| 耐摩耗性 | ◎ | カーボンブラックの補強効果で、アメゴムより向上している。 |
| 耐寒性 | ◯ | おおよそ-40℃前後まで柔軟性を保つため、寒冷地でも使用される。 |
| 耐熱性 | △ | 連続使用上限は70℃程度。 高温環境は避けるべき。 |
| 耐油性 | × | 油には弱く、大きく膨潤するため、一般には油のかかる用途では使用を避ける。 |
| 耐候性 | × | カーボン配合で多少改善するが、屋外ではひび割れやすい。 |
【技術コラム】「タイヤ」はなぜ熱に耐えられる?
博士、ちょっと疑問です。天然ゴムは熱に弱いって言いましたけど、タイヤは高速道路で走るともっと熱くなりますよね? 溶けたりしないんですか?
鋭い指摘じゃ! 実は、タイヤは天然ゴムだけでできているわけではないんじゃ。
合成ゴム(SBRなど)とブレンドして、お互いの弱点を補い合っていることが多い。
さらに、カーボンブラックなどの補強剤を加えて強力に加硫することで、過酷な走行にも耐える性能を出しているんじゃよ。
合成ゴム(SBRなど)とブレンドして、お互いの弱点を補い合っていることが多い。
さらに、カーボンブラックなどの補強剤を加えて強力に加硫することで、過酷な走行にも耐える性能を出しているんじゃよ。
だが、中に含まれる天然ゴムの「熱で軟化する(リバージョン)」という性質が消えるわけではない。
合成ゴムは熱で硬くなりがちだが、天然ゴムは逆に柔らかくなる。
タイヤメーカーはこのバランスを計算して配合しているのじゃ。
合成ゴムは熱で硬くなりがちだが、天然ゴムは逆に柔らかくなる。
タイヤメーカーはこのバランスを計算して配合しているのじゃ。
なるほど! 天然ゴムと合成ゴムが助け合ってるんですね。勉強になりました!
▼次に学ぶべきゴム素材は「エボナイト」
さて、天然ゴムの基礎がわかったところで、次は「エボナイト」について学んでいこう。
エボナイトは天然ゴムをさらに硫黄で強く加硫した硬質なゴムで、絶縁性や耐熱性に優れる特別な素材じゃよ。詳細は下のリンクからご覧あれ。
エボナイトは天然ゴムをさらに硫黄で強く加硫した硬質なゴムで、絶縁性や耐熱性に優れる特別な素材じゃよ。詳細は下のリンクからご覧あれ。
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