ゴム通
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ゴムの話

ゴム通 > ゴム通navi > ゴムの話
材質や製品、規格などゴム全般の雑学・コラムをご覧いただけます。
  • クロロプレンゴム
    略号のCRとはクロロプレンラバーの頭文字を取ったものです。業界では「ネオ」や「ネオプレンR」などと呼ばれることもあります。(「ネオプレンR」はデュポンエラストマー社の商品名)CRはゴム加工市場でもっともポピュラーな素材の一つでしょう。耐候性や耐油性、機械的強度や耐薬品性などを平均的に持っていています。近年、CRの代替品として、NBRに耐候性と耐熱性を加えたような素材がいろいろな商品名で流通するようになりました。これらはメーカーごとに多少製品の特徴が異なりますので、ご使用の際には、環境などを事前に十分確認し、材料を選定することが必要でしょう。
  • EPDMとその落とし穴
    エチレン・プロピレンゴム(EPMもしくはEPDM)は、合成ゴムの一種でエチレンとプロピレンの共重合によって得られます。耐候性、耐オゾン性に優れるため屋外でよく使用されます。弱点は耐油性に劣ることです。略号ではEP、EPM、EPR、EPT、EPDMなどと表記されます。ゴム板メーカーや、重合の方法で名称が異なります。エチレンとプロピレンの共重合体はEPMです。これをかつてはEPRとも呼称しているメーカーもありました。金型製造業界ではEPMをEPと表記することがあります。EPTは3種類のジエンを用いて重合させたゴムです。3種類のジエンはTerpolymerといいますが、これはEPTの「T」に当たります。最近ではこのEPTはEPDMと呼ばれることが多くなりました。
  • NBR
    ニトリルゴム(NBR)はハイカーとも呼ばれますが、これは商品名です。ブナ系Nとも表記されますが、稀です。ニトリルゴムは耐油性に優れており、オイルがにじむ機械周りに使用されています。ただし、耐候性がないため、屋外使用には不向きです。遮断された環境で使用されています。
  • ウレタンゴム
    ウレタンゴムは機械的強度に優れ、耐摩耗性も抜群です。耐油性も十分です。ウレタンはエーテルとエステルの二つに分かれ、一般の硬度90度の場合エーテルが、70度、50度などのいわゆる軟質の場合、エステルが使用されているのが加工ゴム板メーカーの実情です。エーテルは、ドイツのバイエルによって開発され、その後、アメリカのデュポンによってエステルが開発されました。ウレタンは90度で十分な特性が発揮されますが、ゴム全般に言えることですが、硬度が下がるごとに性能が悪くなります。それで、エステルという基本性能がうんと高いものをあてがうことで、硬度が下がっても本来のウレタンの能力を発揮できるように配慮されています。
  • エーテル系とエステル系
    一般の硬度90度の場合エーテルが、70度、50度などのいわゆる軟質の場合、エステルが使用されているのが加工ゴム板メーカーの実情です。エーテルは、ドイツのバイエルによって開発され、その後、アメリカのデュポンによってエステルが開発されました。
  • シリウス
    通常のものとは比較にならないほど薄いシリコーンゴムシート、それがシリウス(Sili-us)です。でも、シリウス(Sili-us)という単語はいくら英和辞書を調べても出ていません。ウチの社長が「薄いシリコーン(Silicone)だから…」というわけで「シリウス」と命名しました。
    一方、夜空を照らすシリウス(英:Sirius)といえばご存知の通り冬の大三角形を構成する、あのひときわ明るい恒星のことです。地球からはるか8.6光年の距離にあるこの星は、肉眼で観測される恒星のうち、太陽に次いで一番明るく輝く星だとか。
  • シリコーンゴム
    英語ではSiliconeと綴ります。ケトンの炭素原子がケイ素原子で置き換えられた化合物のシリコケトンが語源です。原子番号14の硅素そのものを指す語ではありません。シリコーンは、ゴムやシーリング剤、オイルなどの形で活用されています。シリコーンゴムは耐熱性、耐寒性が高く、不活性なことから食品・医療に応用されています。
  • シリコーンゴムという表記
    シリコーンゴムは時々「シリコンゴム」と表記されることがありますが、厳密には「シリコーンゴム」です。「シリコン」となると原子番号14のケイ素のことです。見た目にゴムとは程遠い鉱物です。そのシリコンをもとに作り出された人工化合物がシリコーンで、分子構造によってオイルやゴム、樹脂などの様々な形に変様し、わたしたちの暮らしに役立っているのです。
  • フッ素ゴム
    耐熱性、耐薬品性、耐油性に優れるゴムです。フッ素ゴムは高性能のゴムなので、半導体工場や、自動車でも高温下での使用など過酷な環境で用いられています。反面、耐寒性があまり高くなく、高コストです。
  • ポロンとは
    通常、フォームは泡を化学的に発生させ製造されます。そのため、どうしても泡の分布や数が均一にはできあがりません。一方、根本的に製造法の異なるPORON(ポロン)は、「泡」を画期的な方法で素材に「混ぜ込む」ことで製造されます。こうして、細かなで均一なセル構造を持つウレタンフォームが生み出されます。PORONはまさにイノベーションの結晶なのです。
  • 塩ビの誤解
    塩化ビニールにどんなイメージをお持ちですか? ダイオキシン発生の温床、環境ホルモンの一種、環境破壊の元凶の一つと思われがち。でもこれらは大きな誤解です。いろんな事情で塩化ビニールの間違った情報が流されたためマイナスイメージが先行しているようです。
    では、ダイオキシンの問題はどうなのでしょうか。実は、ゴミが燃焼する際、そこに塩素、炭素、そして酸素が存在すると必然的にダイオキシンが生成されてしまいます。意外にも、空気中に微量の塩素が存在しているため森林火災でもダイオキシンが発生することもあるようです。
    確かに塩ビを燃やすとダイオキシンは発生しますが塩ビのみを槍玉に挙げるのは少々公平さが欠けているかも。重要なのは焼却炉での燃焼方法です。ダイオキシンを分解できるほどの熱量で処理することが大切なのです。http://www.vec.gr.jp/
  • 合成天然
    名称からすると天然ゴムシートは純粋に自然由来と思われがちですが、多くの場合そうではないのです。天然ゴムシートは、化学的な構造がつきとめられ人工的に製造できるようになりました。結果として、「合成天然」というカテゴリーが存在するようになりました。つまり、ゴムノキ由来の天然ゴムと、そうでないものがあるというわけです。例えるなら、ビタミンCでも果実などから抽出されたものと、成分は同じでも穀類などの糖分から合成されたのがあるのと似ています。業界では人工的に製造されたものであっても「天然」ゴムと分類しても良いことになっています。一般に加工用ゴムシートとして流通している天然ゴムは、ゴム板メーカーが適正なコストで生産するために、人造のものと天然のものをミックスしているものもあります。
  • 接着剤
    接着剤ほど身近で、しかも多種多様なケミカル製品は他にないかもしれません。接着剤といってもその種類は非常に多く、時々何を選べばいいか迷うほどです。でんぷんから作られたものや、天然ゴム系のもの、合成樹脂がベースになったものなどいろいろあります。
    本来別々のものをくっつける不思議な接着剤、何と何を接着するかは重要な要素です。あるものにはよく接着できるが別のものはまるでだめということがあるのです。まさに適材適所です。また、接着する面の状態も重要な要素です。油分を除去したり、表面を粗くしたりすることも必要となる場合があります。  
  • アモルファス
    ゴムとガラスには共通点がほとんどないように思えます。しかし、ある分類によると、ゴムとガラスは同じ仲間に属しています。それは、アモルファス。これは、原子や分子が規則正しく並んでいない、結晶化していない状態を表しています。
  • ウレタンソール
    久しぶりに履こうと押し入れの奥から取り出したお気に入りのスニーカーのソールがダメになっていてがっかりということがありませんか。実は、スニーカーのソール素材として、耐摩耗性に優れ、軽量でクッション性もあるウレタンゴムが使われているものがあります。
    このウレタンゴム、実は湿気にはそれほど強くありません。加水分解を起こしてしまうのです。寿命は5年から10年といわれています。ウレタンソールの靴は時々取り出し、風を通す意味でも履いてあげましょう。特に登山用の靴ならソールの損傷が事故を引き起こす要因ともなり得ますので日頃から靴のケアはしっかりする必要があります。
  • サンペルカ(不明)
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  • たかがゴム足、されどゴム足
    たかがゴム足、されどゴム足。ノートパソコンの裏にあるちっちゃな部分であるゴム足、結構重要部品でもあります。ゴム足の役目として思いつくのは「滑り止め効果」、「クッション材」、「衝撃吸収」などがあるでしょう。確かにパソコンにはハードディスクをはじめ超精密部品があるため物理的な衝撃をとても嫌うのはうなずけます。ですから、ゴム足は「飾り」以上の働きをしているのは容易に察しがつきます。ディスプレーを閉じたときの衝撃までも計算し尽くされてできたのがゴム足というわけです。もう一つパソコンで注意したいのが熱暴走です。パソコンを設計するときには廃熱をいかにうまくするかというのも重要な要素。実は、ゴム足によって生まれる間隙は廃熱には欠かすことのできない空間です。たかがゴム足? いいえ、されどゴム足ですね。
  • 導電性
    導電性と表記されている商品は、炭素を素材に練り込むことにより、本来電気を通すことがないゴムに電気を通す機能を付加しています。導電性のあるスポンジは帯電するのを防ぐ効果もあります。一方、帯電防止機能のある製品は、電気を通す機能より、表面に静電気を生じさせない性質を重視しています。
  • 保温材として使用される発泡材
    気象庁のデータによると日本の観測史上一番寒い日だったのは、今から100年以上も昔、1902年1月25日、北海道上川地方で観測されたそうです。気温は-41.0℃だったそうです。
    サイトで紹介しているパイプカバーは高発泡の断熱材として配管の保温や保冷に使用されています。
  • バンパー
    米国に旅行に行ったときのお話。現地の人の案内で車でブルックリンという街に行きました。そこで「日本人と欧米人の違い」を実感させた「事件」がありました。近辺には路上駐車できるところがあり、多くの車が縦列に並んでいます。同じように駐車し食事を終え車まで戻ると、前後には車がみっちり。一体どのようにして車を出すのでしょう。皆さんはどうなさいますか? あちらでは事情が違うようです。いかにも落ち着き払った案内人はそのまま車を前後させて、そっと車を「ぶつけて」脱出! 目を丸くしている私に案内人は「バンパーとはこういうときのためのものです。こっちではこれが普通ですよ。」確かにこれが本来のバンパーの使用法。車をいつもピッカピッカにしてバンパーに傷一つ許さない多くの日本人と考え方が随分違うんですね。

規格・仕様・形状・加工など

  • RoHS
    RoHS(ローズ)とは、電子・電気機器などに有害物質と指定されたものの使用を制限するという欧州連合(EU)による指令のことで、「危険物質に関する制限」を意味する英文の頭文字からそう呼ばれます。この指令に対応するためには有害物質として指定された、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどが、一定の基準を下回っていなければなりません。
  • UL94
    表示されている「UL94」とは…高分子材料(ゴム・プラスティック)の難燃性規格です。試料を水平に燃やす方法と垂直に燃やす方法との二通りの試験方法があります。最も燃えにくいV-0からV-1、V-2及び遅燃性材料であるHBまで、燃料の度合いによりクラス分けしています。米国で使われる電気製品には、その使われ方によってどのクラスの材料を使うかが定められています。
  • NBR
  • ウレタンの注型計算
    製造工程でウレタンゴムは硬化前と後では大きさが随分変わりますし、硬化後であっても外気温の変化によって寸法に変動が生じます。このようにゴムの中でもウレタンゴムは特に温度の影響を受けやすい素材なのです。設計者は使用の目的や環境を考慮しなければなりません。温度変化によるウレタンゴムの伸縮率の簡易計算式は、1.7÷10,000×(製品の全長)㍉×(温度差)℃です。
  • オゾンと同素体(不明)
  • オゾンによる劣化
    ゴム製品は外からの影響で劣化が始まります。要因として紫外線によるものや、大気中のオゾンによるものなどがあるようです。同じ劣化といっても前者はゴムの色によって左右される場合があるのに対し(黒色は遮光し劣化を遅らせる)、オゾンによる劣化は色には関係がなくオゾンの持つその強い酸化力により生じます。耐オゾン性の良好なゴムとして、フッ素ゴム、シリコーンゴム、EPDM、アクリルゴムなどがあり、逆に劣るものは天然ゴムなどです。ゴムやスポンジは使われる環境を考慮して素材を選ばなければなりません。
  • スポンジとは
    発泡剤をゴムの素材に混入し、加硫させることで多孔性の構造を持たせたもの。他にも泡を混入する方法で製造するものなどもあります。気泡(セル)同士が連結していない単独気泡(または、独立気泡)のタイプのものはシール材としても使用可能です。
  • セルの構造
    一般に細胞や小室、表計算ソフトの升目を指す語ですが、ゴム用語として使われる場合スポンジなどの発泡材料にできた小さな泡のことをいいます。材料中にある無数の泡がそれぞれ連結しているタイプ(「連続気泡」)のスポンジと、セル同士が独立しており、(「単独気泡」または、「独立気泡」)基本的にシール材としても使用可能なタイプのものがあります。一般に、ウレタンスポンジの多くは「連続気泡」です。一方、ゴム系のスポンジのほとんどは「単独気泡」です。さらに、圧力をかけていない状態では気泡が連結しているものの、圧縮すると気密性が発生する「半連泡」タイプのシール材もあります。
  • チューブとホース
    チューブとホース。どちらも管形状で空気や液体を運ぶものを指します。基本的に機能や形状についての相違点はあまり見当たりません。サイトでも両者の違いについてはとくに意識しているわけではありませんが、一般的にチューブはホースより細いイメージがあるようです。たとえば、ガラスや金属製の細い管がチューブと分類されることもあります。
    ほかに、柔軟性で区分することもあります。その例として、繊維で補強されたものはホース、繊維が入っていない柔軟性に富むものをチューブと分類しているメーカーもあります。
    このように場合によって定義の仕方がいろいろあるのでちょっと話が複雑そうです。日本語でも「管」を訓読みするのと音読みするのでは意味合いが違ってきます。
  • チューブワーム
    生命を寄せ付けないかに思える深海で、力強く生きる「チューブワーム」。彼らは人の背丈ほどのものもおり、海底で密生しています。硫化水素に富む餌の乏しい海底でも生きていられる驚異の生き物。でもそんな中でどうして元気よく生きていられるのでしょうか? その理由は「共生」にあります。チューブワームの体内には天文学的な数のバクテリアが宿り、それらから養分を供給してもらっているのです。共生のカギはチューブワームのヘモグロビン豊富な血液。そのヘモグロビン分子は人間のそれよりもはるかに大きいようです。栄養素がこのユニークな血液によってバクテリアのもとに届けられると、今度はそこでチューブワームのために栄養素が生産されます。さて、深海の世界は危険な場所というより、実は海底版「熱帯雨林」のような場所なのかもしれません。
  • 押し出し成型
    口金と呼ばれるノズルから素材をトコロテンのように押し出して、その後硬化させて成型加工する方法。ゴム管やウェザーストリップ、手すりのカバーなどはこの方法で作られます。長尺物の製作に向いていますが、断面の形状や大きさによっては一度に作ることのできる長さに制約が発生します。
  • 吸音
    音が壁などに当たって跳ね返ってこないこと。スポンジなどは吸音効果があるものの遮音材としての効果はほとんどありません。
  • 穴加工
    穴加工は、ただ単に「ボルトが通るだけ」のラフな穴や、「カラー(樹脂、金属製の筒)などをはめるため若干小さめの穴」、「ベアリングを入れるため要精度」、「半導体部品の精密穴加工」といったように、様々な品質のレベルがあります。
    そこで、穴の機能は何か? どこまで精度が必要なのか? という点を事前に把握し、設計意図にふさわしい品質に仕上げることが必要です。
    ゴム通における穴加工は、通常プラスマイナス0.2~0.3㍉ を目標に作業します。もしさらなる精度が必要な場合は、事前にご連絡ください。材質や厚さ、深さなど様々な条件に左右されますが、寸法の検査等を繰り返したり、画像測定機等を使用したりして、プラスマイナス0.02㍉というレベルでも対応できるものもあります。
  • 硬度計について
    硬いゴム、軟らかいゴム、これらの表現はあくまで相対的な指標でしかないのです。皆さんは物の硬さって大抵どのようにして知ろうとしますか?指で押して感触を確かめるでしょうか?それと同じ方法でゴムも硬さを測ります。指の代わりに針のようなピンで、感触を数値化するためにバネ量りを逆さにしたような測定具を使います。
    それが「デュロメータ」と呼ばれる計測器です。いわば“指”にあたる部分がピンですので、スポンジでは刺さってしまい測ることができません。ですからゴム用とスポンジ用では計測器が違います。ゴムは「タイプA」、スポンジは「アスカーC型」などが使われます。計測器が違うので、当然ながらゴム硬さ60とスポンジ硬さ60は同じではありません。
  • バックアップ材
    バックアップ材は外壁のシリコーンコーキング処理の下地として使用されています。コーキング材の使用量を減らしコストの低減に加え、シーリング材の三面接着を防ぐことで耐久性を高める働きがあります。
  • ブラック・ターフを加工する
    カタログの発行元はただの素材販売会社ではありません。実は、ゴムシートやゴムブロックを様々な工作機械を利用してモノを作る加工屋さんです。加工例としては、紹介している「ブラック・ターフ」をカッティングプロッターというマシンで切り出し、重機の操作室のマットを作るなどがあります。加工をお考えの方は巻末のお問い合わせ用紙やメールでご遠慮なくお問い合わせください。
  • 加工いたします(不明)
  • ジャバラに追加加工(不明)

雑学全般

  • ゴムという表記
    漢字で「護謨」とも表記されることのあるゴムは、そもそもゴムという語はオランダ語から来ています。一方、よく耳にする英語のラバー(rubber)の由来とはなんでしょうか? これは鉛筆で書いた字などをこすって消す(rub out)ところから来ているそうです。でも英語では(特に米国で)消しゴムは、単に「消すもの」を意味する「イレイサー」なんですよね。言葉とは面白いものです。
  • ゴムノキ
    ゴムノキ(パラゴムノキ)の原産地はアマゾン川流域で、成長に最適な場所は赤道付近の高温多湿な国々です。全世界の天然ゴムはおおむね東南アジア、とくにマレーシア、インドネシアで生産されます。残りは南アメリカ、そして西・中央アフリカでも生産されます。樹齢6年ほどになれば切り付けがおこなわれ、以後ゴムノキは25~30年の長きにわたりゴムを生産し続け、高さ20㍍ぐらいに生長します。採取されたばかりのゴムはラテックスというゴムの微粒子を含んでいる乳液の状態です。後工程で水分が除去され、乾燥、圧縮の工程を経て工業国に輸出されます。ゴムノキは生産の役目を終えても成長を続け、中には高さが40㍍に達し、樹齢百年以上を数えるものもあるそうです。
  • ゴムのリサイクル
    通常ゴムは、溶かして元に戻し再利用するということはできません。ゴムはいったん加熱成形されてしまうと、分子が複雑な三次元の網目構造になるため、後で加熱しても分子が変動しにくくなるのです。一般に、廃棄されたゴムの活用法は、粉末状にして何かに混ぜ込んで利用する、つなぎで固めてシート状にするといったものがあります。リサイクルしにくいゴムを別の形によみがえらせるのは、環境に優しい工夫といえるでしょう。わたしたちができる身近なエコといえば、将来ゴミとして捨てられるとき、それが環境にどれだけ影響するかということまで考えて買い物をすることかもしれませんね。また、良識ある社会人の一人としてゴミのポイ捨てなども絶対に慎みたいものです。
  • 生活の中のゴム
    すこし周りを見回して、生活の中でゴムが演じている役割について考えてみましょう。靴の底やかかとのクッション、じゅうたんの裏張りやソファー、着衣のゴム紐、マリンスポーツのシーンではウエットスーツ、ダイビングに欠かせないアイテムは水中眼鏡でしょうか。カナヅチの人はゴムボートにのって楽しむこともあります。そう、そこにあるのはゴム製品です。家の中では、輪ゴムや消しゴム、接着剤にはゴムが入っているものもあります。さらに、ゴム製品で作られたマットレスや枕などの寝具があります。わたしたちは多種多様なゴム製品に囲まれています。ゴムは生活を実に豊かにするアイテムなんですね。
  • 台所にシリコーンゴム
    休日は何をしてお過ごしですか? お菓子作りが得意な方は、時たつのも忘れてキッチンで家族のお気に入りのケーキを焼いたりするかもしれません。実は台所でシリコーンゴムが大活躍しています。クッキングシート、シリコングローブ、ゴム製のヘラ、フライ返し、動物などをかたどったおしゃれなケーキの型などの多くにシリコーンゴムが使用されています。その理由はシリコーンゴムが衛生的でしかも耐熱性があるためなのです。今度お菓子を作る時、そこにシリコーンゴムがあることを思い出してみてください。(サイトでご紹介しているシリコーンゴムは一部の商品を除き、工業用途を想定しています。それで、食品関連や医療機器部品としてご使用にならないようお願いします。)