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ゴム通 > たのしく学ぶゴム素材「シリコーンゴム」
ゴム素材の使い分けを学ぶシリーズ。今回は、白くてきれいな見た目と、桁違いの耐熱性で人気のシリコーンゴム(Q)をピックアップ。「ゴム博士」と「輪ゴムちゃん」と一緒に、その得意分野と、現場で問題になりやすいポイントをやさしく整理していきましょう。
「白くて清潔」「熱に強い」ゴムといえばシリコーン
博士! シリコンのヘラとか製菓用の型とか、キッチン用品ですごく見かけるんですけど、あれってゴムですよね? 工場でもああいう“シリコン”ってよく使うんですか?
まず、ここが最初の落とし穴じゃ。
一般には「シリコン」と呼ばれておるが、ゴムとして使っているのは『シリコーンゴム』なんじゃ。
一般には「シリコン」と呼ばれておるが、ゴムとして使っているのは『シリコーンゴム』なんじゃ。
えっ、「シリコン」と「シリコーン」って違うんですか?
全く別物じゃよ。
世間の「シリコンゴム」は、ほぼ確実にシリコーンゴムのことじゃな。
- シリコン:半導体などに使う固体のケイ素材料(Si 単体やその結晶)
- シリコーン:ケイ素を骨格にした有機ケイ素系の樹脂・オイル・ゴムの総称
世間の「シリコンゴム」は、ほぼ確実にシリコーンゴムのことじゃな。
なるほど……。
じゃあ、そのシリコーンゴムって、どんなところがすごいんですか?
じゃあ、そのシリコーンゴムって、どんなところがすごいんですか?
シリコーンゴムの一番の売りは、ずば抜けた耐熱性と耐寒性じゃ。
おおまかなイメージでいうと、
・低温側:約 -50℃でもゴム弾性を保てるグレードが多い
・高温側:約 200℃でも長時間使えるグレードがある
といった具合で、「冷凍庫からオーブンまで」を一人でこなしてしまう頼もしさじゃ。
おおまかなイメージでいうと、
・低温側:約 -50℃でもゴム弾性を保てるグレードが多い
・高温側:約 200℃でも長時間使えるグレードがある
といった具合で、「冷凍庫からオーブンまで」を一人でこなしてしまう頼もしさじゃ。
そんなに温度差があっても平気なんですか!?
さらに、
・白色・半透明で見た目がきれい
・においが少ない
・耐候性(屋外での日光・雨)にも強い
という特長から、クリーンルームのパッキン、医療・理化学機器のシール、オーブンの扉パッキンなど、「清潔」「高温」「においを嫌う」用途で重宝されておる。(※ゴム通で扱っているものは、工業用途前提とお考えください。)
・白色・半透明で見た目がきれい
・においが少ない
・耐候性(屋外での日光・雨)にも強い
という特長から、クリーンルームのパッキン、医療・理化学機器のシール、オーブンの扉パッキンなど、「清潔」「高温」「においを嫌う」用途で重宝されておる。(※ゴム通で扱っているものは、工業用途前提とお考えください。)
【深掘り】熱には強いが、「スチーム」は得意とは限らない
200℃くらいまで使えるなら、スチーム(蒸気)殺菌とかも余裕そうですね! 食品機械とか、じゃんじゃん熱湯と蒸気をかけられそう!
ここで、よくある勘違いが起きるんじゃ。
「高温に強い=高温スチームにも万能」ではないのがシリコーンゴムなんじゃよ。
「高温に強い=高温スチームにも万能」ではないのがシリコーンゴムなんじゃよ。
えっ、どう違うんですか?
ざっくり言えば、
・シリコーンは「乾いた熱(熱風・高温雰囲気)」にはとても強い
・しかし、高温の水蒸気(スチーム)や熱水が長時間当たると、グレードによっては
- やわらかくなり過ぎる
- 表面がボソボソしてくる
- 物性が落ちる
といった変化が起こることがあるんじゃ。
・シリコーンは「乾いた熱(熱風・高温雰囲気)」にはとても強い
・しかし、高温の水蒸気(スチーム)や熱水が長時間当たると、グレードによっては
- やわらかくなり過ぎる
- 表面がボソボソしてくる
- 物性が落ちる
といった変化が起こることがあるんじゃ。
同じ約 100〜120℃でも、「お湯や蒸気」と「熱風」では寿命が違うってことですか?
そういうことじゃ。
たとえば、
・オーブンの扉パッキン(主に熱風):長持ちしやすい
・スチームをガンガン当てる洗浄ラインのシール:選定を間違えると劣化が早い
といった差が出る。
だから、「シリコーンゴム=スチームにも完璧」と思い込むのは危険なんじゃ。
たとえば、
・オーブンの扉パッキン(主に熱風):長持ちしやすい
・スチームをガンガン当てる洗浄ラインのシール:選定を間違えると劣化が早い
といった差が出る。
だから、「シリコーンゴム=スチームにも完璧」と思い込むのは危険なんじゃ。
熱に強いって聞くと、つい全部大丈夫な気がしちゃいますね……。
【見逃しがち】弱電での「接点トラブルの種」
そういえば、シリコーンって「電気を通しにくい」って聞いたことがあります。
じゃあ、電気や電子機器の周りにも安心して使えますよね?
じゃあ、電気や電子機器の周りにも安心して使えますよね?
ふぉふぉ。ここもまた一筋縄ではいかんところじゃ。
確かにシリコーンゴムは電気絶縁性が良いものが多く、家電や一般的な電子機器では、高温部のパッキンや電線の被覆といった用途で使われることもある。
じゃが、一方で、半導体工場や一部の精密電子機器の製造現場では「シリコーン完全NG」というルールも珍しくないんじゃ。
確かにシリコーンゴムは電気絶縁性が良いものが多く、家電や一般的な電子機器では、高温部のパッキンや電線の被覆といった用途で使われることもある。
じゃが、一方で、半導体工場や一部の精密電子機器の製造現場では「シリコーン完全NG」というルールも珍しくないんじゃ。
完全NG!? どうしてですか?
シリコーンゴムやシリコーンオイルから出てくるごく微量の成分(低分子シロキサンなど)が、リレーやスイッチの接点、基板のパターン、半導体ウェハの表面などにうすい膜として付着して、
- 接触抵抗を不安定にする
- レジストやはんだの密着を悪くする
といったトラブルを引き起こすことがあるんじゃ。
これが、いわゆる「シリコーンミスト問題」と呼ばれるものじゃな。
- 接触抵抗を不安定にする
- レジストやはんだの密着を悪くする
といったトラブルを引き起こすことがあるんじゃ。
これが、いわゆる「シリコーンミスト問題」と呼ばれるものじゃな。
見た目には汚れてないのに、そんなうすーい膜だけで問題になるんですか……?
とくに微小電流・微小信号を扱う弱電の世界では、ほんのわずかな汚れでも、ノイズや接触不良の原因になり得る。
そのため、
「接点の近くにはシリコーン材料を持ち込まない」
という設計ルールを設けている現場も少なくないんじゃ。
そのため、
「接点の近くにはシリコーン材料を持ち込まない」
という設計ルールを設けている現場も少なくないんじゃ。
絶縁性が良いからって、何も考えずに使っていいわけじゃないんですね……。
そうじゃ。
「電気を通さない=電気的に何をしても安全」ではない、というのがポイントじゃな。
「電気を通さない=電気的に何をしても安全」ではない、というのがポイントじゃな。
【ゴム材料 ざっくり比較】
シリコーンゴム vs 一般的な耐熱ゴム シリコーンは熱・寒さ・見た目のきれいさが武器ですが、油や蒸気、コスト面では他のゴムに分があることも。
| 特性項目 | シリコーン (Q) | フッ素 (FKM) | EPDM |
|---|---|---|---|
| 耐熱性 | ◎ ゴム中トップクラス(特に「乾いた熱」に強い) |
◎ 高温+油に強い |
◯ 工業用途なら十分 |
| 耐寒性 | ◎ 約 -50℃級も多い |
△ 低温で硬くなる |
◯ |
| 耐スチーム | △~◯ 加水分解や物性低下に注意。長時間高温は要検討 |
◯~◎ 対応グレード有 |
◯ |
| 耐油性 | ×~△ 鉱物油に弱い |
◎ 油・燃料に最強 |
△ |
| 耐候・耐オゾン | ◎ | ◎ | ◎ |
| 電気絶縁 | ◎ 揮発成分に注意 |
◯ | ◎ |
| コスト | △ やや高め |
× 高価 |
◎ 安価 |
※あくまで一般的な傾向です。実際の選定は各製品の仕様を確認してください。
【事例集】現場で起きた!シリコーンゴムの「やらかし」
白くてきれいで、熱にも寒さにも強いなんて、ほぼ完璧に見えますけど……。
うまくハマればとても頼りになるが、「なんとなく清潔そうだから」と選んで失敗する例も少なくない。いくつかイメージしやすい事例を見てみようか。
- 1. スチーム洗浄で「ふにゃっ」となったパッキン 食品機械の扉シールに、「清潔そうで耐熱も高そうだから」とシリコーンゴムを採用。
通常運転時の耐熱性は問題なかったが、毎日の高温スチーム洗浄を繰り返すうちに、パッキンがやわらかくなり過ぎたり、表面がボソボソして密封性が落ちたりして、結露や漏れの原因になってしまった。
本来は、スチームに強いグレードのシリコーンや、条件によっては別種ゴム(EPDM や FKM)の検討など、「スチーム環境」を前提にした選定が必要じゃった。 - 2. 「原因不明の誤動作」リレー周りのクッション材 制御盤内部で、基板を押さえるクッションにシリコーンスポンジを採用。
絶縁性が良く、耐熱性もあるので「ちょうど良さそう」と思われたが、しばらく運転すると一部のリレーがときどき動かない、接点抵抗がばらつくといった不具合が散発。
調査の結果、シリコーン由来の微量成分が接点近傍に付着していたことが疑われ、シリコーンを含まないクッション材に変更したところ、事象は収束した。 - 3. 「キレイだから食品用にいいでしょ?」の罠 充填機のホースやガスケットに、白くてきれいなシリコーンゴムを選定。
ところが、後になって「この材料は食品衛生法の対象外グレードだった」ことが判明し、全面交換になってしまった。
シリコーンには、食品衛生法適合グレード、医療用グレード、完全に工業用として設計されたグレードなどがあり、見た目では区別がつかない。「シリコーンだから食品用もきっと大丈夫」という思い込みは非常に危険なんじゃ。
【要注意】ゴム通のシリコーンゴムは「工業用途」が前提
シリコーンってキッチン用品のイメージが強いから、つい「食品にはみんな使える」と思っちゃいますね……。
そこは特に注意してほしいところじゃ。
ゴム通で紹介しているシリコーンゴムは、基本的に“工業用途向け”じゃ。
食品や飲料に触れる場所で使いたい場合は、
- その製品や材料が食品衛生法に適合しているか(少なくとも材料レベルで)
- 想定している温度・洗浄方法で安全か
を、必ず個別に確認してほしい。
同じ「シリコーンゴム」という名前でも、配合やグレードによって適合性が全く違ってくるからじゃ。
ゴム通で紹介しているシリコーンゴムは、基本的に“工業用途向け”じゃ。
食品や飲料に触れる場所で使いたい場合は、
- その製品や材料が食品衛生法に適合しているか(少なくとも材料レベルで)
- 想定している温度・洗浄方法で安全か
を、必ず個別に確認してほしい。
同じ「シリコーンゴム」という名前でも、配合やグレードによって適合性が全く違ってくるからじゃ。
見た目の「清潔そう」で判断しない、ですね。
【シリコーンゴムの特徴まとめ】
シリコーンゴムは「きれいでタフな万能選手候補」
- ゴムの中でもトップクラスの耐熱・耐寒性(特に「乾いた熱」に強い)
- 優れた耐候性・耐オゾン性
- 白色・半透明で清潔感ある外観
- 良好な電気絶縁性
ここには注意(クセ)
- 高温スチームや熱水環境では、グレード選定を誤ると寿命が縮む
- 弱電・半導体・精密電子機器では、シリコーンミストによる接点・プロセス汚染が重大な問題になり得る
- 「シリコン」と「シリコーン」の混同や、食品用/工業用の取り違えでトラブルになりやすい
どんな熱なのか(乾いた熱か、湿った熱か)
近くに敏感な接点やプロセスがないか
食品や薬品に触れるかどうか
これらをよく見極めて、用途に合ったグレードを選んでやることが、シリコーンゴムをうまく使いこなすコツなのです。
▼次に学ぶべきゴム素材は「フッ素ゴム(FKM)」
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