ゴム通
さまざまな形状から商品をお探しいただけます。 シート・板 棒・パイプ 紐・ホース・チューブ 規格品・パーツ 接着剤・テープ ゴムキル
2026年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
2026年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

サイト改善にご協力ください!
ゴム部品の試作 レベル別調達ガイド その3:金型の常識を超える切削
ゴム通 > ゴム部品の試作 レベル別調達ガイド その3:金型の常識を超える切削
少量試作で詰まらないための「ゴム加工の考え方」その3

金型だけが、ゴム成形の選択肢ではありません。試作・小ロット・高精度――いま設計者が知っておきたいのは、「ゴムを削ってカタチにする」という現実的な解。3回目は、金型の常識を超える(?)切削加工の世界をのぞいてみましょう。

ゴム部品の試作、レベル別調達ガイド その1 を読む ゴム部品の試作、レベル別調達ガイド その2 を読む

設計の限界を超えて

数週間後。若葉くんの机の上には、小さな段ボール箱が置かれていました。
送り主は、ゴム通の運営元でもある「株式会社 扶桑ゴム産業」。

若葉くん

若葉くん

課長! 扶桑ゴムさんから試作品が届きました。
これ……本当に削り出しですか? この表面……。金型で成形した製品みたいなんですけど。
製品サンプル写真

この加工事例の詳細はこちら

古田課長

古田課長

ふふふ。驚いたかい?
それが、これがゴム通を運営している、扶桑ゴム産業の本気だよ。
若葉くん

若葉くん

それに、こちらの方は、技術サンプルだそうですけど、先端は0.15ミリの細さ……これは金型じゃ到底無理っぽいです。
金属加工ならイメージできるんですけど、ゴムでここまでできるなんて思いませんでした。
技術サンプル写真

この加工事例の詳細はこちら

古田課長

古田課長

多くの設計者が、『ゴムは金型で成形するもの』というイメージで止まっている。
今日はその常識を、少しアップデートしてみようか。

なぜ「切削」が今の時代に合っているのか?

古田課長

古田課長

そもそも若葉くん、なぜ私がここまで『切削加工』を推すか分かるかい?
量産になれば、確かに金型成形が王道だ。
ただ、今の開発サイクルや、製品寿命の短い分野を考えると、切削には大きなメリットがある。
(1)イニシャルコスト(費用)を抑えられる
古田課長

古田課長

金型を作るには、どうしてもある程度まとまった費用がかかる。
形状にもよるが、試作用でも数十万円クラスになることは珍しくない。
量産までいけば、1個あたりのコストはぐっと下がる。
ただ、開発段階では、図面も仕様もまだ完全には固まっていないことが多いだろう?
そういう状況で金型を起こしてしまうと、設計変更のたびに金型の修正費が発生して、トータルのコストがどんどん膨らんでしまう。
若葉くん

若葉くん

たしかに……。
仕様が落ち着いていない案件だと、『とりあえず作った金型の修正費』だけで、かなりの金額になってしまいますね。
古田課長

古田課長

切削なら、基本的にはデータを書き換えれば、その形で加工するだけだ。
設計変更があっても、金型そのものを作り直したり、修正したりする必要はない。
少量の試作や、仕様検討中の部品では、最初から切削で進めた方が、結果的に費用を抑えられるケースが多いんだ。
金型 vs 切削の比較表
(2)リードタイム(時間)のリスクを下げられる
古田課長

古田課長

もうひとつのポイントは時間だよ。
金型を新規で作るとなると、設計・製作・トライ(試打ち)といった工程が必要になる。
これだけで、数週間から案件によっては数ヶ月かかることもある。
その間、図面に問題が見つかっても、簡単には戻れないよね。
若葉くん

若葉くん

納期がタイトなプロジェクトだと、そのリードタイムがネックになりますね……。
古田課長

古田課長

切削加工なら、金型を作るステップがない分、立ち上がりが早い。
もちろん、加工プログラムを組んだり、条件を詰めたりする時間は必要だが、それでも型を一から作るのに比べれば、ずっと短いリードタイムで試作にこぎつけられるね。

試作を早く回して、評価をして、設計を詰めていきたい――
そんな開発スタイルには、切削加工のスピード感がよく合っているんだ。
若葉くん

若葉くん

なるほど……。
費用面だけじゃなくて、設計を早く回せるという意味でも、切削には大きなメリットがあるんですね。

切削だと納期の短縮が可能

扶桑ゴム産業の「こだわりどころ」

古田課長

古田課長

ただし、ゴムの切削は、金属や樹脂の延長線上にあるようでいて、中身はだいぶ違うんだよ。
柔らかく、弾性があり、熱にも敏感な素材を安定して削るには、それなりの工夫が要るからね。
若葉くん

若葉くん

前回、『逃げる』『固定が難しい』って話がありましたよね。
古田課長

古田課長

そう。扶桑ゴム産業が長年取り組んでこられたのは、まさにその『やっかいさ』への対処。
具体的に、彼らが得意としているポイントを、いくつか挙げてみよう。
(1)薄肉など、変形しやすい形状への対応
古田課長

古田課長

見てごらん、このサンプル。
肉厚が非常に薄いゴムの製品になると、少し条件を間違えると、加工中に破れてしまうよね。
薄肉のサンプル

薄肉加工事例はこちら

古田課長

古田課長

扶桑ゴム産業では、そうした変形しやすい形状に対しても、
・どう固定するか
・どのくらいの切り込みで削るか
・どの工具を、どの条件で使うか
といったノウハウを積み重ねてこられている。
若葉くん

若葉くん

たしかに、この薄さで、ちゃんと形にできるのって、すごいですね……。
(2)微細な溝・穴など、細かい形状の加工
古田課長

古田課長

次に、細かい溝や小さな穴。
例えば、半導体関連装置や精密機器向けの部品などでは、かなり細かい形状が求められることがある。
ゴムの弾性に負けないようにしないと、穴の入り口だけきれいで、中がデコボコ……ということが起こりやすい。
ここも、ドリルの回転数や送り速度(ドリルを掘り進める速さ)など、条件出しがものを言う世界だ。
微細形状サンプル

微細形状の加工事例はこちら

若葉くん

若葉くん

金属加工と似ているようで、また別の難しさがあるんですね。
(3)3次元形状・自由曲面へのチャレンジ
古田課長

古田課長

そして、単なる丸や四角に留まらない、3次元的な形状だ。
例えば、ローラーに特定の溝パターンを刻んだり、シールの一部をなだらかな曲面に仕上げたり。
マシニングセンタやNC旋盤などの数値制御された工作機械を使って、ゴムにこうした立体形状を与えていく。
刃物が届く範囲という制約はあるが、それでも『ゴム=板か丸棒』というイメージしかないと、見落としてしまう設計の選択肢がたくさんある。
若葉くん

若葉くん

(サンプルを手に取りながら)
なんだか、ゴムで彫刻をしているみたいですね……。
3次元形状サンプル

3次元・立体形状の加工事例はこちら

古田課長

古田課長

誇張ではなく、設計次第で機能を持った形状をゴムで作り込める、ということだね。
扶桑ゴム産業のような会社と手を組むと、そうした検討がしやすくなる。

「無理かも?」と思ったら、まずは相談してみる

若葉くん

若葉くん

でも課長、こんなに手間のかかる加工を、僕みたいな若手の案件でお願いしていいんでしょうか……?
なんだか恐れ多いというか……。
古田課長

古田課長

何を言っているんだい。
彼らは“難しい案件ほど検討しがいがある”と感じるような、いわば匠の集団だ。
もちろん、何でもかんでもできるわけじゃないし、コストや納期の制約もある。
それでも、他の加工会社で『難しい』『できない』 と言われた図面が、最後の頼みの綱として持ち込まれてくることも多いようだよ。
若葉くん

若葉くん

たとえば、どういう情報を用意して相談すればいいんですか?
古田課長

古田課長

基本は図面だね。
寸法、公差(設計図の寸法に対して、許される誤差の範囲、合格ライン)、材質、数量――まずはそのあたりが分かるものを用意するといい。
『こういう役割の部品を作りたい』という用途だけ決まっている段階でも、最低限図面は必要だね。

扶桑ゴム産業ではさまざまな電子データの受け入れに対応している。(下図参照)
対応可能な電子データ形式
古田課長

古田課長

ここで一つ覚えておいてほしいのは、最終的な判断はあくまで設計側、つまり君自身が下すということだ。
株式会社 扶桑ゴム産業は加工業者であって、図面どおりに製品を仕上げることが最大のミッションになる。どの仕様を採用するか、どこまでの性能や安全率を求めるか――そういった仕様設計の責任までは、こちらから手放してはいけない。
若葉くん

若葉くん

(やっぱそうだよね)
古田課長

古田課長

そのスタンスさえぶれなければ、良いパートナーシップが築けるはずだよ。
若葉くん

若葉くん

なるほど。基本は図面ですね。
古田課長

古田課長

その通りだよ。
さて、ゴム通(gomu.jp)は、素材を買うだけじゃないことがわかっただろう?

・まずはゴムキルで対応できるか確認。
・メニューにない形状や精度が必要なら、図面を添付して問い合わせ。

こういう使い方ができると、設計の幅が一気に広がるはずだ。

【コラム】特注品について相談するときに用意しておきたいもの

  • 図面(寸法、公差、断面形状が分かるもの)
  • 使用するゴム材の種類
  • 必要数量(試作数の目安)
  • 求めるポイント(使用環境、寸法精度・表面状態・シール性など、何を優先したいか)

→ これらが揃っていると、加工の可否や概算コストなどの検討がスムーズになります。

※材質や形状、求める精度によって変わるため、悩んだらまずは相談してみるのがおすすめです。

特注品 お問い合わせフォーム

結び:設計者の「武器」が一つ増える、ということ

若葉くん

若葉くん

分かりました。
これからは、“ゴムは金型だけ”って決めつけずに、設計の初期段階から『切削で試せないか?』も考えてみます。
そして、以前話に出た「ゴムキル」で足りないところは、恐れず図面を送って相談してみます。
古田課長

古田課長

その意識の変化が大事なんだ。
設計者にとって、“使える加工方法の種類”は、そのまま“設計の自由度”に直結する。

・DIYで済む範囲。
・ゴムキルで簡単に頼める範囲。
・扶桑ゴム産業のような加工専門会社に任せる範囲。

この3つをうまく使い分けられるようになると、
『コストや納期の制約がある中で、どこまで理想の設計に近づけるか』
という勝負が、ぐっとやりやすくなる。
若葉くん

若葉くん

課長……。
『ゴム通は、ただの通販サイトじゃない』って言っていた意味が、やっと分かってきました。
設計の相談に乗ってくれる『技術の窓口』でもあるんですね。
古田課長

古田課長

そういうことだ。
覚えておくといい。
どこに相談すれば、その設計が前に進むのかを知っていることも、立派な設計スキルの一つなんだよ。
今回のまとめ
  • ゴムの切削加工は、試作〜少量生産、設計変更の多い段階で特に有効。
  • 金型成形と切削加工は、“ライバル”ではなく“使い分け”が重要。
  • 扶桑ゴム産業は、薄肉・微細形状・3次元形状など、変形しやすいゴム形状の加工ノウハウを持つ。
  • ゴム通(gomu.jp)は、素材購入・ゴムキル・特注加工相談の「3つの入り口」を持つ“技術の窓口”でもある。

3回にわたって、「ゴム通」と、その裏側にある「扶桑ゴム産業」のゴム加工について見てきました。
カッターでのDIYから、Webで完結する定型加工、そこで図面ベースの高精度切削まで――。

あなたの目の前の設計課題に、今までより一つ多い選択肢を思い出していただけたなら、この特集の役目は果たせたと言えそうです。

3回シリーズ 一覧

「3つの調達法」とは?

ベテラン設計者が教える、ゴム加工の「現実解」と ゴム通(gomu.jp)の使い方

ゴム部品の試作、レベル別調達ガイド その1 を読む
脱・手加工とWeb発注

若葉くんの「ゴム試作」大失敗と、プロ加工という選択肢

ゴム部品の試作、レベル別調達ガイド その2 を読む

関連リンクまとめ