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ゴム通 > たのしく学ぶゴム素材「EPDM」

楽しく学ぶゴム素材のシリーズ、今回はEPDM(エチレン・プロピレンゴム)です。「屋外で使うならこれ!」と言われるほど、日光・雨・オゾンに強い耐候性に優れた、まさに「外仕事の達人」。しかし、そんなタフな素材にも、意外な落とし穴があります。博士と一緒に、その秘密を探ってみましょう。
EPDMの「2つの顔」と謎の「T」
博士! 屋外用パーツの図面を見ていたら、「EPDM」と書かれたものと「EPT」と書かれたものがありました。これって別物なんですか?
ふむ、鋭いところに気づいたな。結論から言うと、実務上は「同じもの」だと思ってよい。「EPT」はメーカー独自の呼び名じゃな。
ゴムの世界では、エチレンとプロピレンを主成分にしたゴムをまとめて「EPR」と呼ぶことが多い。その中に「EPM」と「EPDM」があるんじゃ。だが、この素材には「2つの顔」があることは知っておくべきじゃ。
ゴムの世界では、エチレンとプロピレンを主成分にしたゴムをまとめて「EPR」と呼ぶことが多い。その中に「EPM」と「EPDM」があるんじゃ。だが、この素材には「2つの顔」があることは知っておくべきじゃ。
2つの顔……?
専門的には「EPR」と総称されるが、中身はこう分かれておる。
● EPM(2元共重合体)
「純粋で最強」。エチレンとプロピレンだけで構成され、化学的に非常に安定している。
塩素にも強く、長寿命が求められる用途で本領発揮する。ただし加工(固めるの)が難しく、少し高価じゃ。
● EPDM(3元共重合体)
「秘密のエッセンス(D=ジエン)」入り。加硫しやすくなって、加工性とコストの面で一気に扱いやすくなるんじゃ。
そのかわり、この「D」の部分が特定の薬品(塩素など)から狙われやすいという弱点も生まれてしまう。
● EPM(2元共重合体)
「純粋で最強」。エチレンとプロピレンだけで構成され、化学的に非常に安定している。
塩素にも強く、長寿命が求められる用途で本領発揮する。ただし加工(固めるの)が難しく、少し高価じゃ。
● EPDM(3元共重合体)
「秘密のエッセンス(D=ジエン)」入り。加硫しやすくなって、加工性とコストの面で一気に扱いやすくなるんじゃ。
そのかわり、この「D」の部分が特定の薬品(塩素など)から狙われやすいという弱点も生まれてしまう。
なるほど! 私たちが普段目にするのは、加工しやすい「EPDM」の方なんですね。
なぜ油に弱いのに「エンジンルーム」にいるのか?
でも博士、EPDMって耐油性は×(ダメ)ですよね? なぜ車のエンジンルームでも使われていることがあるんですか?
良い視点じゃ! 確かにEPDMは油そのものには弱いが、「熱水」と「熱気」には異常に強いんじゃよ。
エンジンルームにはオイルもあるが、すべての部品がオイルまみれになるわけではない。
「高温の冷却水」「高温の空気」「オゾン」といった相手と戦う場所では、EPDMがとても頼もしいんじゃ。
● ラジエーターホースの主役: エンジンを冷やす冷却液(LLC)にびくともしない。
● 環境耐性: エンジンルーム内の猛烈な熱と、外から入り込むオゾンに耐え抜くタフさがある。
エンジンルームにはオイルもあるが、すべての部品がオイルまみれになるわけではない。
「高温の冷却水」「高温の空気」「オゾン」といった相手と戦う場所では、EPDMがとても頼もしいんじゃ。
● ラジエーターホースの主役: エンジンを冷やす冷却液(LLC)にびくともしない。
● 環境耐性: エンジンルーム内の猛烈な熱と、外から入り込むオゾンに耐え抜くタフさがある。
つまり、「油そのもの」に触れない場所なら、過酷な環境においてEPDMは「コスパ最強の選択肢」になるというわけじゃな。
【深掘り】水道パッキンが流す「黒い涙」の正体
水に強くて熱にも強いなら、お家の水道パッキンも全部EPDMで決まりですね!
……それが「惨劇」を招くことがあるんじゃ。犯人は、水道水に含まれる「残留塩素」じゃよ。
ええっ!? 水道水が敵なんですか?
さっき話した「魔法のスパイス(D)」が、実は塩素の格好の攻撃標的になってしまうんじゃ。塩素はこの「D」という部分を掴んで、ゴムの鎖をブツブツと切断してしまう。さらに恐ろしいのが「温度」との関係じゃ。
ゴムの劣化には「10℃法」という経験則があってな。温度が10℃上がると、化学反応(劣化)のスピードはおよそ2倍になる、と考えられておる。
ゴムの劣化には「10℃法」という経験則があってな。温度が10℃上がると、化学反応(劣化)のスピードはおよそ2倍になる、と考えられておる。
10℃で2倍……。ということは、冷水と60℃のお湯では?
16倍じゃ! たとえば、冷水で16年持つパッキンも、60℃のお湯では理論上はわずか1年ほどで寿命を迎える計算になる。
実際の寿命は設計や水質によって変わるが、「温度が上がると一気に寿命が縮む」というイメージは掴めるじゃろう。
その結果、ボロボロになったゴムからカーボン(黒い粉)が溶け出し、水が黒くなる……。
実際の寿命は設計や水質によって変わるが、「温度が上がると一気に寿命が縮む」というイメージは掴めるじゃろう。
その結果、ボロボロになったゴムからカーボン(黒い粉)が溶け出し、水が黒くなる……。
それが、たまに聞く「黒水現象」の正体なんですね! だから、あえて加工しにくくても「D(弱点)」を持たないEPMが必要になるんだ。
プロの使い分けクイックチェック
用途に合わせて、この3区分で考えるのがプロの設計じゃ。どれが「絶対に正しい」というわけではなく、求める信頼性とコストのバランスで使い分けるんじゃよ。
| 種類 | 採用すべきシーン | 特徴 |
|---|---|---|
| EPM | 信頼性重視 | 塩素に攻撃される隙(D)がない。40℃以上の温水、絶対に黒い粉を出したくない医療機器などに。 |
| EPDM-S | バランス重視 | 塩素に強く、EPMより安価。給湯器や白い設備のパーツに。 |
| EPDM | コスト重視 | 「D」のおかげで安くて加工しやすい。一般的な屋外環境、建築資材など、塩素の影響が少ない場所に。 |
次回予告:ゴム界の力持ち「ウレタンゴム」
お知らせ(免責事項)
本ページは、ゴム素材の特徴を「イメージしやすく楽しく学ぶ」ことを目的としており、正確な数値データや保証値を示す技術資料ではありません。掲載される情報や、リンクされている動画の内容は、制作者である 株式会社扶桑ゴム産業 ゴム通事業部(以下「制作者」)が独自に調査・実施したものです。使用範囲、性能等などは、保証値ではありません。したがって、使用目的や用途、条件等に適合しているかどうか、使用者ご自身が自己責任のもとに判断しご利用ください。本ページにある情報を利用することで発生するいかなる危険や問題については、利用者ご自身が負担するものとします。制作者側は一切の責任を負うことはできません。個別製品の詳細な仕様については必ず、各製品のメーカーに直接お問い合わせください。
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